今ここに、不良在庫があるのだが…

アイデア商品を作ろうとして、どうにもならなくなったブログ

初めて焼いた肉を売った話。

前回の予告通り、半年で会社を潰した話を書こうと思ったけど、書き始めてみて、とても一回のブログでは書ききれないボリュームだと分かった。

それくらい、色々な事があったし、今だから笑える失敗談もあれば、書くのを迷うような重い話しもある。

 

なので今日は、どんな事業をしていたのかという事と、もう一つそれに関した軽めの話題にしておこうと思う。

 

ちょうど今から10年前になる。

 

当時30歳の僕は、神戸市中央区で、BBQ屋さんを始めた。

「街中でBBQしようぜ!」

 ってコンセプトの、なんて言うか、ちょっと攻めた感じの店だった。

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※実際の店の写真

更地に建物まで建てて半年で解体する羽目になった。

 

自分で言うのもなんだが、来てくれたお客さんの評判は良かったと思う。

たった半年の間に口コミで色んな人が訪れたし、かなりの確率でリピートしてくれた。パーティーやイベントスペースとして使いたいと言う人も多く、ブログやタウン誌などに紹介されたりした。

 

 

だけど、色々と問題が多過ぎて、本格的にオープンする頃には、すでに潰れるのは避けられない事は分かっていた。

 

結局、自分の力ではどうする事も出来ず、そのまますぐに閉店する事になったが、それまでは野外イベントを開催したり、出張BBQしたり、パーティースペースとして店でも積極的に色んなことをやった。

 

トラブルはオープンの前日にも起きた。

 

なんとオープンの前日に、たった1人の従業員と、言い合いの喧嘩になり、そいつは、そのまま辞めてしまったのだ。

きっとそれまでに、色々と溜まっていたのだろう。オープン前の数日は、明らかに不満を態度に出していた。そして一番効果的な攻撃をしたのだ。

 

その作戦は大成功と言える。

メニューや食材の手配などを全て任せていたので、僕は完全にパニックになった。

すでにオープンイベントのお客の予約は満席で入っていたし、そもそも僕は調理が出来なかった。

 

いきなりの大ピンチである。

 

仕方がなく予約してくれたお客さんに謝りの電話をして予約をキャンセルしてもらった。

 

その電話の直後、肉屋さんが大量の肉の塊を搬入して来た。

訳もわからずお金を払って伝票を受け取り、冷蔵庫にそのまま仕舞う。

業務用の大型冷蔵庫だったが、全ては入らなかったので、適当に冷凍庫にも振り分けた。

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そしてそのまましばらく途方に暮れた。

 

しかし今から誰か代わりの人を探したとしても、オープンするのはいつになるか分からない。

何もしてなくても、当然家賃はかかるし、借金の返済はやって来る。

 

 その時、友達が1人様子を見に来てくれた。

事情を説明すると一緒に心配してくれたので、少し気が晴れた。

そして、自分でやるしかないと吹っ切ることができた。

 

とりあえず、搬入された肉を切ってステーキにして適当に焼いてみた。

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うん。美味しい。

友達と2人でステーキを食べながら、「コレはイケるんちゃう?」などと盛り上がってた。

だけど、これはどこの部位なんだろう?

分からないが、とりあえずメニューが "一品" 出来た。

 

そんなこんなで試作を作っていると、お店の建設時から興味を持ってくれていた近くに住むおじさんがやって来て、「明日オープンやろ?ワシ、友達連れて一緒に来るわ」と言ってくれた。

 

「実はちょっとトラブルがあってオープンは遅れそうなんです…」僕が正直に話すと、

 

「友達誘ってもうたから、何とかしてよ、4人ぐらいなんとかなるやろ?」

この人は、建設中も何かと世話を焼いてくれていた。きっと親切心で言ってくれているのだろう。

とても嬉しかった。

が、正直、不安しかなかった。

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強引に押し切られる形で、とりあえず次の日にプレオープンすることになってしまい、それまでに一通りのメニューを考える事になった。

 

たまたま来ていた友達とメニュー作りがスタートした。ちなみにその友達も、料理は全くした事がないので、かろうじて自炊くらいは出来ていた僕が当然作る事になる。

 

店の食材をメインにスーパーで足りない食材を買い足して、いくつかのメニューを作った。

 

ホットドッグ、カレー、野菜の丸焼き、厚切りベーコン…かなりショボい内容だが、BBQ屋さんと言うコンセプトのお陰で、そんなメニューでもそれっぽい感じにはなった。

メインは一番最初に作ったステーキだ。

 

そして迎えたプレオープン。

近所のおじさんは、言った通り友達を連れて4人で来店した。

自分1人で迎えたお店の初めてのお客さんだ。

 

不安だらけで緊張しまくる僕の心配をよそに、プレオープンは和やかで楽しい雰囲気で終える事ができた。

ただし一点、メインのステーキだけはあまりお気に召さなかったようで、これはどこの部位なのかを何度か聞いてきた。

最初ははぐらかしていたが、本当に分からなかったので、正直に「今度、肉屋に聞いておきます」と言って、適当に金額をつけてその日は終わった。

 

後日、肉屋さんが注文を取りに来た時に、まずお肉について聞いてみた。

僕は冷凍された肉の塊を指し示し、

「コレ、どこの部位ですか?」

「ステーキで食べたんだけど、どこか分からなくて…」

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お肉屋さんは、即答するかと思いきや、ラベルを何度も確認し、凍った塊を取り出したりしながらゆっくりと答えた。

 

「これ、豚肉ですよ」

 

 

 

 

 

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勿論その日からメニューにステーキは無くなりました。

 

 ちゃん、ちゃん。

 

 

 

※ちなみにそのおじさんは店を潰すまで何度もリピートしてくれました。ホント、何事も無くて良かったです。